夢ども



 一発目、淫夢。
 内容は、ローティーンの女の子(ハーマイオニー似)がいくらか年上の男の子二人にイタズラされるというもの。特筆すべき点は、自分の役どころがその女の子である、ということ。手の自由が奪われていたような気がする。わりと気持ちよかった。服は脱がされなかった。本番なし。すぐ次の夢に移ってしまったせいか、あまり詳しく覚えていない。残念。

 二発目、犬。
 神社っぽいところを歩いている。石畳で舗装された道。両脇は鬱蒼とした森。夏。視界の隅に犬がいる。ウェルシュコーギー・ペングローブ。めっちゃ可愛い。身が引き締まって腹が引っ込んでる理想体型。しかしその犬は目が見えない。動きを見てればわかる。私は触りたくてたまらないのに何故かすたすたと先を急ぐ。犬が追ってくる。匂いだけを頼りに追ってくる。何の匂いか? 手に染み付いた匂い。その犬が大好きな匂い。何の匂いか? 食べ物である、ということしかわからない。とにかくその犬は私の手の匂いが好きだ。まとわりついてふんふん鼻を鳴らす犬。私はしゃがみこんで慈しみつつ撫でる。盲目丸出しの動き。焦点の合わない目。もつれる足。何だか無性に悲しくなってぼろぼろ泣いてたら目が覚めた。




 また女の子(?)になる夢を見た。
 私はどっかのお姫様なのだが、実はニセモノである。精神的疾患もしくは影武者あるいは私が暗殺して成り代わっているのか知らないが、とにかく私はニセモノでお姫様なのであり、しかし他者にとっては本物なのだ。世界観は和風っぽいがどうもはっきりしない。状況が設定されているだけである。さて、私は本物のお姫様にそっくりで、体つきは年頃の女の子そのものなわけで、だからこそバレていないわけだが、ニセモノであるという確固たる証がある。
 両性具有なのだ。
 なんてこったい。
 で、婚約者だか恋人だかただの変態だか知らないが、男に追い掛け回されている。何故男は追いかけているかと言えば、もちろん犯すためだ。男は私のことを本物のお姫様であり女であると思っている。私は絶対に捕まってはいけないと思っている。捕まって組み伏せられて衣服を剥ぎ取られたら私の正体が露呈してしまうからだ。ちんちんを見られてはいけないのだ。だからスカートをみっともなく翻して逃げ回っている。私の夢に共通して出てくる風景(電波満載)の中を走って逃げて、やがて疲れてしまい植え込みに隠れていると追いついてきた男がきょろきょろと辺りを探し、私は「うあー突っ込まれたらどんな感じなんだ」とか考えている。息を殺し緊張が快感に変わってきた辺りで目が覚めた。未遂。ざんねーん。



  久しぶりに夢を見た。
 ……のだが細部を描写するには腕が足りない。でも頑張ってみる。
 でかい湖を疾走している。右に見えるのはカッパドキアとサグラダファミリアを足しっぱなしにして緑をごちゃごちゃ配置しまくったような街。左には日本の樹木を基調としているものの、生態がバラバラでとりあえず植物知識を全てぶちこんでみました的な森が望める。今思い出すと「あー綺麗だなー行ってみてー」とか思うのだが、夢の中の私はそんなこと考えてる暇はない。何故なら悪漢に追われているからだ。20世紀初頭にあったようなデザインの自動車からタイヤを取っ払って、代わりに翼がなくホバークラフトにも似た正体不明の飛行装置をくっつけた乗り物を駆って、私は逃げている。湖面スレスレに飛び、衝撃波で水が切れて整然としたしぶきがあがっている。悪漢も同様の、しかしもっとごつくて性能の高そうな乗り物を使っていて、性能が高い故に追いつかれ前方に回りこまれそうになり、上空に逃げるしかなくなる。しかし既に離水が間に合わない距離まで来ている。このままでは体当たりを食らって一方的に破壊されてしまう。それでも上に逃げなければならない。ぶつかる直前、エンジンを全開でふかしクソ重たい上昇レバーを思いっきり引いた。機体は見事に垂直離水に成功したが、いささか勢いがつきすぎていて、私は振り落とされないようにするのに必死だった。数十メートルも上がったところでこらえきれなくなり乗り物から手を離してしまい、湖に叩きつけられそうになり、最期に町並みが見えて、初めて美しいと思って、
 そこで目が覚めた。
 起床予定時刻までまだ少しあったので寝なおした。



 戻る